これは、佐竹美保さんの原画展に行ったときに、購入した3冊のうちの1冊です(「ファンタジーを描く 佐竹美保のダイアナ・ウィン・ジョーンズの世界」に行ったときの記事はこちら)。原画を先に見て本を買ったのは、この3冊が初めてです。言うまでもありませんが、生で見る原画はもっときれいです。※この記事は、原画展最終日の一日前に投稿してます。
「銀のらせんをたどれば 」ダイアナ・ウィン・ジョーンズ 著/市田泉 訳/佐竹美保 絵
佐竹美保さんのメッセージも
「佐竹美保のダイアナ・ウィン・ジョーンズの世界」展での会場には、原画の横に短いメッセージが添えられていました。そのメッセージを読むと、原画のなかにいろんな気持ちがあることが、さらに明確に伝わってきました。小さな「ひとこと」をプレゼントしてもらえるのは、この展覧会の間だけかもしれません。2011年に、ダイアナ・ウィン・ジョーンズさんが亡くなり、「もう、これからは作品が生まれないのか」と寂しかったのですが、4年後のいま(2015年)、原画を見てこんなにテンションが上がるとは、まったく想像していませんでした。
ギリシャ神話や星が好きな人に
短めで、内容も複雑に見えてシンプルです。ギリシャ神話や星座が好きな人におすすめ。現実の世界と神話の世界が、だんだん混ざっていくような、期待通りの感じ。主人公が、初対面のいとこや叔母たちと一気にうちとけていく事件があり、疎外感が晴れたところは、読んでいて気持ちよかったです。地球の周り、はるか上空(?)に神話層がある、という話なので、私はSFのような宇宙のイメージを持って読み進めました。そのエリアでは、いくつもの神話のエピソードが絡み合っています。先日、読んだ「牢の中の貴婦人」は、いたたまれない不条理さがありましたが、この「銀のらせんをたどれば」は大丈夫です。安心してひたって読むことができます。
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