ジェイミーは、自分のクランの人たちを救えたのでしょうか。あのマッケンジーの人たちは?前巻からの疑問だらけで、すぐに読み始めてしまいました。前巻「ジェイミーの墓標」は、すでに冒頭で、クレアが20世紀に戻っていること、娘がいること、フランクがすでに亡くなっていることがわかり、クレアとジェイミーが1746年に別れ別れになるまでが描かれています。そして、クレアが20世紀で、ジェイミーの生きのびた証拠を探すのが「時の彼方の再会 1」です。
クレアを未来へ送ったあと、ジェイミーの過酷な人生が語られます。これがまた、ひどい。クレアも決して幸せではなかったことがわかりますが、ジェイミーほどではありません。クレアにはブリアナがいましたし、クレアは医者になっていました。仕事に対して迷いの無い彼女は、幸せだったといえるでしょう。ジェイミーは200年前の人物ですから、死んでるに決まってますが、クレアにとっては、戦いですぐに亡くなったのか、その後も生き延びたのかは大きな違いがあります。また過去に戻れる可能性があるからです。クレアが少しづつ歴史を調べる作業に、どきどきしました。
OUTLANDERシリーズ7冊目
時の彼方の再会 1
ダイアナ・ガバルドン著 加藤洋子訳
「時の旅人 クレア」、「ジェイミーの墓標」に続くOUTLANDERシリーズ7冊目です。「時の彼方の再会」は原題が「Voyager」です。
ゲイリスの伝言、「1、9、6、8」
この時代にはなんと、過去に行く前のゲイリスがいます。ゲイリスの伝言から、1968年から過去へきたことが推測されていたのですが、火あぶりになるとわかっていてもゲイリスを止めることはできません。ゲイリスの子孫であるロジャーは悩むのですが、悩んでも無駄なんです。こうした、歴史に干渉することへの是非すら、「考えるだけ無駄、起こることは起こる」というのが、ダイアナ・ガバルドンの達観したところだな、と思いました。ジェイミーがウェットな愛の言葉を語るかと思うと、ゲイリスは丸焼きで、変更なしなのです。なぜゲイリスは、火あぶりになっても過去から戻ろうとしなかったのかも納得できましたし、夫を手にかけることになるのかも、わかりました。
【追記:ゲイリスについて】「時の彼方の再会 1」を読み終えた時点での感想です。ゲイリスについては、のちに情報が増えます。
思ったよりもフランクに惹かれない
フランクは、クレアが戻ってくると、自分に気持ちが向いていないことを知ります。だからといって、浮気はいただけません。ジェイミーはクレアと別れてから、自分から浮気しようとはしませんでした。他の女性との関わり方でも、ジェイミーの一途な感じが素敵に思えてきます。フランクには、もっと魅力があるといいのに残念です。クレアはフランクの元に戻ろうと、最初はあれだけ必死だったのですから、もう少しいいところが欲しかったです。
ジェイミーに戦いの最中の記憶が抜けている
マータフはどうなったのかがわかりません。名付け親のマータフは死んだのだとわかっていますが、どうやって亡くなったのかが記憶にないままです。ジャック・ランダルもです。死体はありましたが、お墓を作ったのは誰なのか?
湖の底の怪物について
クレアは、ネス湖の怪物について、湖の底にも時の通路があるのではないかと推測します。「暗闇の底に潜ってゆける?」とロジャーにたずねます。その先にブリアナがいるとしたら、潜れるか、と重ねてきくと、ロジャーは「行くと思う」と答えます。もちろんクレアも同じですが、時を超えてジェイミーに会いたい気持ちをわかってもらう意味と、ブリアナを置いていっても大丈夫か確認するという二つの意味をもった質問です。
クレアはスタンディング・サークルを通って、ジェイミーに会う決心をします。
次は「(OUTLANDER8)時の彼方の再会 2」です。