「ぼくとルークの一週間と一日」
ダイアナ・ウィン・ジョーンズ 著
初期の作品だそうで、いままで見かけたことがなかった本です。もう亡くなってしまって残念です。初期の作品だからか、登場人物の正体は大物の神様です。神様ですが、友情がめばえるところは、自然に共感できました。自分で友達を作るくらいの年齢以上なら、とても楽しめる本だと思います、
日常の中に、「あ、不思議なことがあるな」くらいなところから、最後は不思議な世界に行ってミッションをこなします。主人公の「ぼく(デイヴィット)」にできた友達を救う話です。友達は強力な魔力をもっていますが、「ぼく」にとって最後まで大事なことは、彼が友達になってくれて一緒にいると楽しいということでした。ドラえもんと一緒です。友達のいない子供時代は、どんなにつまらないかと思いますが、友達になるのは誰でもいいわけではありません。デイヴィットは、気の合う友達のために、怖い相手にひるまず秘密を守ります。そして、友達のルークもそのことを素直に感謝しています。
「ぼく(デイヴィット)」には、両親が亡くなったあとに引き取ってくれた親戚がいますが、この親戚の家族のなかにも、かなり明確に味方と敵がおり、親戚なのに容赦のない扱いです。最も身近な家族にまったくの悪人が存在するところが、この作者の面白さだと思いますが、家族を愛することがウリのようなアメリカ人とは、きっと違うのでしょう。イギリスは地図で見ると小さな島国ですが、シェイクスピアやトールキンなど、文学ではすごい作家がいます。ダイアナ・ウィン・ジョーンズもイギリスでは超有名作家だそうですが、日本での知名度はそれほどではありません。私は、最も好きな作家の一人です。ぜひ、大人の人にも読んでいただきたいです。子供に読聞かせするなら、男の子がファンタジーを読むのはいくつまででしょうか。いまどきの子は小学生のうち、しかも低学年ではないかと私は恐れています。いま、うちの子供は「バーティミアス」を読んでいるので、この本は読み聞かせしていないのですが、こうしてブログに記載して、機会があれば読んであげたいです。
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