読みました「(Outlander 4)ジェイミーの墓標 1」

ジェイミーの墓標 1 OUTLANDER

ジェイミーの墓標1裏表紙タイトルからも、ジェイミーが亡くなっていることがわかります。200年の時間が経過しているので当たり前なのですが、非常に胸にせまるタイトルでした。また「ジェイミーの墓標」をネットで探したときに、「のっけからクレアが20世紀に戻っていて、しかも娘がいる」ことが、わかってしまいました。しかしネタバレにがっかりすることはありません。私はこの情報を知っていても、ドラマがすすむにつれて、さらに謎が頻出して、じゅうぶん楽しめました。こちらは、いくつかのネットストアを探してみましたが売り切れで、入荷のきざしもなく、近所の図書館で貸し出し予約を申し込みました。8日のちに図書館で受け取ることができました。

【追記】アウトランダーコミュニティ「ケイリー」によると、2015年10月22日(木)早川書房から「時の旅人 クレア 1」が発売され、11月には2巻、12月には3巻と続くそうです。「ジェイミーの墓標」も発売されることを祈っています。

【追記2】「時の旅人 クレア 2」は2015年11月20日に発売。

ジェイミーの墓標 1
ダイアナ・ガバルドン著 加藤洋子訳

「時の旅人 クレア 1〜3」から続くOUTLANDERシリーズ4冊目です。「時の旅人 クレア 1〜3」3冊分が、原書では1冊です。イギリス版では「Cross stitch」アメリカ版では「OUTLANDER」という題名になりました。この「ジェイミーの墓標」も1〜3巻で、原題は「Dragonfly in Amber」です。「時の旅人 クレア」で、物乞いヒュー・マンローがクレアに結婚のお祝いに贈った、小さなトンボが閉じ込められた琥珀を指すのでしょうか。

エレン・マッケンジーの存在感が出てくる

ジェイミーの母、エレンを慕う人がたびたび登場していたため、亡くなっていても存在感のあったエレンですが、クレアの娘ブリアナがエレンに似ていることでも、ますます存在感が出てきました。マータフがジェイミーを守るのも、エレンに思いを寄せていたからで、それはエレンが他の人と結婚しても、子供を産んでも、時間が経っていても変わりません。クランの特徴として「フレイザーは頑固」といわれますが、どう考えてもジェイミーとジェニーが、エレンに似たからです。ジェイミーのお父さんも多少はそうかもしれませんが、頑固はエレンの影響ではないでしょうか。

フランクは誰の子孫なのか

ジェイミーとクレアはフランスで活動します。パリにはジャック・ランダルの弟がいて(クレアはジャック・ランダルが死んだと思っている)、身体は弱いけれども善良そうです。フランクの先祖がこの弟ならいいのに、と思いました。ジャック・ランダルが子供を残しているという情報はないので、フランクの存在はどうなるのか、気になります。

ハイランドのジャコバイトたちは助かるのか

「ジェイミーの墓標」1巻から2巻の中程まで、パリに拠点を置いています。ジャコバイトたちの動きは、ちょっと理解しにくく、ハイランドで活動資金を集めていたドゥーガルや、魔女裁判で火あぶりになるのもいとわなかったゲイリーのような情熱が、パリのジャコバイトには感じられません。スコットランドとイングランドの王位を奪還しようとしているはずのキング・ジェイムスも息子のプリンス・チャールズも、本気なのかあやしいのです。政治的な背景が見えてくるにつれて、リアフ城の人たちや、ジェイミーの故郷ラリー・ブロッホの人たちが心配になってきます。

「時の旅人 クレア」では、200年前のハイランドの文化にどっぷりはまり、スコットランドの魅力があふれていました。キルトの戦士の真剣で古風な愛情にうっとりしながらも、クラン制度の中の厳しさや、いつ死ぬかわからない冒険にドキドキしました。それが、「ジェイミーの墓標」では、ジャコバイトの反乱によりハイランダーが虐殺されることをなんとか防ごうと歴史の流れに立ち向かいます。プリンス・チャールズやフランス国王ルイは、ブルボン家の血のつながりがあっても、利害なしにはお互いを助けようともしないところも、面白いところでした。

パリが都会であっても、クレアが病院で信頼されるようになり、友人ができていきます。ジェイミーも戦士としてだけでなく、商才があり、頼れる経営者であることがわかります。クレアはジェイミーと別れて、フランクのいる時代に戻ります。どうやって戻るのかも、まだわかりません。

次は「(OUTLANDER4)ジェイミーの墓標 2」です。