「魔女と暮らせば」
ダイアナ・ウィン・ジョーンズ著
原題:”Charmed life”
この本も、息子たちに勧めていた中の一冊です。この本は、確か、私自身は図書館で借りて読んだはずですが、そこから、20年経ち、インドに引っ越す直前に一度買ったものの、読まずに帰国。気に入っていた本だったので、日本にわざわざ持ち帰り、しばらく家に置いていました。一向に息子が読まなかったので、諦めて捨ててしまったのです。捨ててから、1ヶ月も経たないころ、急に息子たちは日本の本を読み出しました。
わかりますか?3回も手にしたんです、この本。
それでも諦めずに用意して良かったなあ、と思う。
それくらい、ダイアナ・ウィン・ジョーンズは面白い。
この「魔女と暮らせば」は、有名な大魔法使いクレストマンシーシリーズです。主人公の少年が、姉と共にクレストマンシー城に引きとれられて暮らすんですが、日本の児童書にはついぞ見られない特徴があります。残酷なんです。スプラッタな表現があるわけではないんですが、身近な人間の悪意が、背筋をゾッとさせる瞬間があるんですよ。
子供だからって、誰でも純粋じゃないし、ほとんどの殺人は家族や身近な人間の中で起こるという、リアルな恐怖です。
児童書というには話が面白すぎるし、その甘くないテイストが、大人も虜にさせる、格別なファンタジーです。
この面白さを知ってるなら、その子は、なかなかの読書好きだと思います。