古文や日本史が苦手な次男に、いつか読ませたいと思っていた「忍びの副業」です。やっと次男が読んでくれました。面白かったそうです!
畠中恵著「忍びの副業(上・下)」
マンガやドラマに負けないほど、気負いなく楽しめる時代ものです。登場する忍びにもいくつかの流派があって、太平の世にあっても鍛錬を怠らない強い忍びもいれば、そこそこの忍びもいるところが面白かったです。職にありつけるかどうか、一喜一憂するところも、現代に通じる悩みとして共感できます。
日本文化への親しみ
私は常々、古文や日本史に興味を持ってほしい、時代物の小説を読んでほしい、と思ってきました。その期待に応えてくれたのが、この本です。
机に座っての勉強も大事ですが、学力の基礎を支えるのは読書量じゃないでしょうか。理系の次男は、数学も理科系科目も得意ですが、本当にややこしい設問には国語力も必要なはずです。なかなか読書量が増えない理系男子に、ぜひとも小説の楽しみを知ってもらいたい。そして、それは読みやすくて、ワクワクして、一気に読み切ってしまいたくなるような、ニンジャの小説に違いありません。
家族で同じ本を読む嬉しさ
親子であっても、読む本の好みは違います。当然です。
それでも、あまりにも面白かった本は子供にも読んでもらいたくて捨てられず、ついとっておいてしまうものです。10数年も本棚に大事にしまっておいたのに、結局読まれないまま捨ててしまった本もたくさんあります。笑えることに、捨てた直後に息子が読みたいと言い出したので、買い直した本もあったりします。
この本を夢中になって息子が読んでいるとき、私は、そーっとパソコンを閉じて、自分も本を開きました。家中の物音も無くなって、静かで幸せな時間が流れるわけです。こんな時間を長いこと待っていましたよ!本当に長かった!
紙の本だから夢中になる
「本なんて、また買えばいいじゃないか。」と思われる方もいるでしょう。私も、いつでも買うことができるのだし、と考えていました(だからこそ、ブログに記録してるわけです)。ところが、いざ探すと、絶版になっていたり、本屋さんが小説のコーナーを縮小したりしていて、思うように手に入らないことがありました。
電子書籍であれば、いくら購入しても場所も取らず、捨てずに済みます。便利で、私にはすでに必要な存在です。しかし、紙の本を手に取って「面白そうだな」と思わなければ、読書量は増えないし、せっかく自分の母国語でこんなに楽しめる文化があるのだから、思い切り満喫したらいいのです。もちろん図書館も利用します。でもやっぱり、自分の本を本棚に取っておきたくて、限られたスペースに頭を悩ませてしまいますね。
私は次に、宮部みゆき著「きたきた捕物帳」をすすめようとしたのですが、意外なことに息子は畠中恵著「わが殿」に手を伸ばしました。同じ作者を読みたいと思ったようです。
「いずれこれも読んでみて、面白いから!」と心で叫んでいます。