10分で読める物語、国語の先生のセレクト本

読んだもの

CA3H087610分で読める物語 -1年生
選者 青木伸生
学研
夜の読み聞かせに、絵本でない本に移行したいときに読みました。声に出して読んであげれば、4歳の子供も大丈夫です。さすが国語の先生が選んだだけあって、大人が読んでも楽しめました。
ライオンの話がのっていて、ライオンのお母さんが狩りをして、お父さんと子供にご飯を先にあげます。お父さんは普段はぐうたらですが、いざというときには家族を守るという話です。きれいな写真が載っていて、ライオンの顔は表情があるようにくっきりしています。当時4歳だった弟は、ライオンの話が大好きで、繰り返し読んでほしいとリクエストがありました。特に「お父さん、ぐうたらだねえ」と声を出して笑っていました。
私は、北風に不思議なテーブル掛けをもらう民話が好きです。「北風」が擬人化された挿絵がありましたが、絵は必要ない気がします。子供に想像させたほうがきっと面白く感じるのではと思います。風には目に見えるカタチがないので、風にゆらぐ枝であったり、木の葉が舞い散るさまに「風」があること認識します。この見えないけれども、確実に存在する風を意識することは、抽象概念を持つことにつながるのではないかと思います。文字になって、または挿絵になって説明されないことのほうが、はるかに大切なことが書かれているのが本です。自然に感覚と思考が訓練されていくのは本ならではの楽しみですから、テレビやゲームもいいですが、手に取って紙の本をめくることは、非常に大事だと考えています。紙の本を愛さない人が、電子書籍から上手く情報をひきだせるとは思いません。知りたいことを調べるだけなら、サイトを検索すればいいのです。
10分で読めるシリーズは、2冊くらいしか買いませんでしたが、面白い話が紹介されていました。本屋さんで選ぶ時間がない人は、ネットで注文できるので、ぜひ試してほしいです。

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