「子どもが好き」が説得力ある場合とない場合

こいのぼり

「子どもが好き」って、おかしいと思うんです。

好きな子どももいれば、嫌いな子どももいる、というのが自然ではないでしょうか。子どもには、個性があり、人格があるので、いっしょくたに語る事に違和感を感じるのです。

人格を無視しているからこその「子どもが好き」という発言にいたるのだとすると、それはすなわち、人間だとは思っていないということになります。

また、「どの子どもも、すべて好き」という発言に説得力を感じたことがあります。そう発言したのは、定年直前のベテラン教師で、プロとしての長い経験があるので、数多くの子どものトラブルそれぞれには、正解がひとつならずあることを知っていて、「余裕があり、何も恐くない」と語っておられました。

スキルと能力が充実した場合、子どものトラブルを受け入れる土台が完成し、「すべての子どもが愛しい」という言葉は納得できます。おそらく真実。

「好きな子どもも、苦手な子どももいる」という場合、苦手であるのは、自らのスキルの低さにとまどっている、ということです。子どもの日が近づいてきて思うことは、子どもの成長を祝う気持ちだけではありません。「子どもがかわいい」と思う自分に、スキルと能力が充実していってほしいという願いがあるのです。