「BARTIMAEUS
THE AMULET OF SAMARKAND」
ジョナサン・ストラウド 著
金原瑞人/松山美保 訳
ナサニエルの復讐がはじまる。がんばれ、と応援しています。致命的なミスをどうやて挽回するのか、ナサニエルのアイデアが面白いです。ローズマリーというハーブが入ったタバコの空き缶に「旧刑務所」と書いてあるところも、あんな悪魔がローズマリーを怖がるのもかわいい。これでバーティミアスとナサニエルが一方的な立場でなくなります。友達になるために必要なプロセスだったのですね。
この本は、ナサニエルの様子とバーティミアスの語り口の部分と交互に章立てされています。このページはどっちの話だろうと子供は混乱するかもしれません。そのときは、読みながらちょっと「いまナサニエルのとこかな」と教えてあげます。ページの余白の取り方や注釈の入れ方、また見出しのあたまにつくマークで識別できます。バーティミアスの章は本文下の余白に悪魔目線の注釈がはいります。ナサニエルのようすを説明する部分は、3人称ですが、バーティミアスの部分は1人称です。こうしたことから基本的にはバーティミアスが主人公ですが、章ごとに主人公がいれかわるという、ややこしい技法も子供は自然に理解し受け入れて、「いまどっちの話かな」と思っているようです。きかれればこたえますし、きかれなければ知らん顔で読み進めます。
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