読みました「(Outlander 13)燃ゆる十字架のもとに 1」

燃ゆる十字架のもとに 1OUTLANDER
outlander13,燃ゆる十字架のもとに1

「燃ゆる十字架のもとに」は4冊に分かれています。いままで3冊で原書1冊に相当していました。まとめて購入する方は4冊目を忘れずに。その最初の1冊は、ほんの2年間の話です。特にブリアナの結婚式の1日に半分以上のページが使われました。クレアとジェイミーの結婚式は重要でしたが、この1冊ものちのちまで話題になるのでしょうか。

燃ゆる十字架のもとに 1、表紙燃ゆる十字架のもとに 1
ダイアナ・ガバルドン著 加藤洋子訳

OUTLANDERシリーズ13冊目「燃ゆる十字架のもとに 1」。原題は「THE FIERY CROSS」。「燃ゆる十字架のもとに」1冊目は二部に分かれており、593ページ中、前半の387ページまでがブリアナの結婚式の一日です。全体の6割くらいでしょうか。事件、事件、また事件と、問題続きの一日です。後半は、独立戦争に向かう準備がされます。原題の「THE FIERY CROSS」は、本文中に使われる言葉では「血火の十字架」のことです。木の十字架を燃やし、血で消します。領主としての資格と器を兼ね備えながらも、不遇に生きてきたジェイミーが、この十字架に火を放つ事で初めて、自身の存在を主張したように思いました。13冊目にして、まだまだディープなスコットランドの文化にしびれます。「時の旅人 クレア」のときと思わず比較しながら読んでしまいました。結婚の儀式、ギャザリング、戦争など、いくつかの要素が繰り返されています。また、「時の旅人 クレア」は「サセナッフ」から始まりました(ドラマ化された「アウトランダー」も第一話は「サセナッフ」)。クレアは13冊目でも、まだ「サセナッフ」です。outlander13、とびら

ブリアナの結婚式は、子供がからんだ複雑な関係がある

クレアとジェイミーの結婚式は、避けようの無い状況だったことから、あまり悩む部分がありませんでした。複雑なブリアナの結婚式とは違います。ブリアナとロジャーも結婚については固い意思と愛情があるのですが、ブリアナは出産が非常に危険であると恐れています。病気や出産によって母体(自分)の命が危ういという恐怖とは別に、息子ジェミーにとっては新しい兄弟はどうなんだろう?ということです。ブリアナ自身が血のつながらないフランクに愛情いっぱいに育てられましたが、クレアとフランクとのあいだにもうひとり子供がいたら、どうなっていたのか。ジェイミーには、ファーガスという養い子がおり、リアリーの連れ子であるマーサリとジョーンも庇護すべき対象だと認めています。もちろん彼らへの愛情はありますが、実の甥であり小さい頃から見てきたヤング・イアンに対しては説明もないほどの親愛を持っています。また、ロード・ジョン・グレイのもとに託した息子に対しての切ない愛情も、ブリアナに対しての愛情についても、さらにさらに言わずもがなです。クレアとジェイミーの結婚式よりも複雑ですが、ブリアナとロジャーには(いまは)隠し事はありません。

ふたたび戦争に巻き込まれる、クレアの決意

かつてクレアとジェイミーは、カローデンの戦いという歴史的事実を回避できないかと試行錯誤しました(「ジェイミーの墓標」)。ゲイリスが石を抜けたのも、過去を変えるためでした。ふたたび戦争に巻き込まれてゆきますが、過去を変える事はできないとわかっていますので、今度は戦争を止めようとしたりしません。カローデンの戦いの直前、別れ別れになる際、クレアの手に「J」と刻みました。同じようにジェイミーの手には「C」と刻まれています。その手を重ねながら、クレアはふたたび戦争が訪れることを知りながら、カローデンのときとは違う決意を固めます。帯帯の背面が日にさらされて変色しています。本屋さんで実際に並んでいたものを探して送付してくれたのだとわかります。

ハミシュの消息がわかる

ほんの小さな情報でしたが、ハミシュの消息がつかめます。ジェイミーとロジャーは、ミセス・バグが船でマッケンジー一族と乗り合わせたことから、リアフ三代目城主のハミシュが生きているとわかりました(カナダの島へ行った)。この情報を得て、ジェイミーとロジャーが「歓喜」を共有したことで、ロジャーは「胸のつかえがとれた」と感じます。血のつながりというか、同じ側に立っていることが自然に感じられました。ロジャーは嬉しかったろうと思います。思えば、20世紀でロジャーは孤児でした。それが18世紀では、ジェミーという息子ができ、ハミシュが生きており、その知らせを共に喜ぶことのできるジェイミーがいます。クレアだけは、いまも「サセナッフ」ですが、ロジャーはハイランダーであり、マッケンジーであり、どんどん馴染んでいくように思えます。
「時の旅人 クレア」で、魔女裁判から逃げたあと、ジェイミーがクレアにとって「ここには何もない」と言い、20世紀に戻るよう話しました。ロジャーは反対なんですね。18世紀にこそ居場所を次々に見つけます。ロジャー自身は、18世紀では役立たずだと嘆いたかもしれませんが、ブリアナとジェミーが家族になったことで、ロジャーは血族を得る事ができました。過酷な状況なだけではないです。もっとも得るものが大きかったのはロジャーではないでしょうか。

ジェミーの父親は、ロジャーなのかボネットなのか

ギャザリングで、ジェミーの頭のカタチがロジャーそっくりだと指摘されます。ロジャーの子供だという余地もあるようです。かつて、ゲイリスが「フレイザーの血筋がスコットランドの王になる」と言っていました。これはジェミーのことなのでしょうか。それとも、ロード・ジョン・グレイのもとに残した子供のことでしょうか。ボネットはブリアナの妊娠を知り逃げています。自分の子供だと思っています。この「燃ゆる十字架のもとに 1」ではスティーブン・ボネットは出てきませんでした。次巻では明らかになるのでしょうか。

次巻は「燃ゆる十字架のもとに 2」(別記事あり)です。

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