読みました「パラドックス13」

パラドックス13表紙読んだもの

パラドックス13表紙

危機的状況で孤立した、11人が東京の真ん中でサバイバルします。大きな地震、泥水、台風と自然災害が次々に襲いかかります。パニック映画を見ているような面白さでした。最後まで読むと、いつも(断言できないけど)清々しい感じが残るので、東野圭吾は大好き。

「パラドックス13」著:東野圭吾
2009年発行、発行所:毎日新聞

おくづけ

集まった人々のなかで、善と悪の価値観がぐいぐい変化していくところも、恐かった。私は、極限状態で孤立した人間は、もっと汚いんじゃないかな、もっと悲惨な暴力にさらされるんじゃないかな、と思っています。なので、男性作家が作品を書いて、こうなるのか、と安心するような気もします。

置かれた状況の厳しさを乗り越えていくうちに、だんだん明らかになってくる「P-13現象」。正確な日時がポイントになっていくのも興味ぶかいです。文明に頼れない状況で、まず人間が失うのは日にちや時刻だと思います。それが後半から思い出されてくる。

ブラックホールの影響は、もう一度くるのか。誰の解釈が正しいのか。誰が生き残り、誰が戻り、誰が報われるのか。

エピローグにある日常の描写も、泣けてきそう。この最後の最後で、「ああ、そういうことなのね。」と思える。謎解きが終わったあとに、さらにすとんと納得できました。

政府高官と一部の科学者のみが察知していた現象は、やはり何も答えが得られずじまい。また、体験した人たちの記憶にも残らない。「パラドックス」を否定して否定して、それでも、なにか運命が変わったような気持ちのいい終わり方です。これが、2011年の震災前に書かれた作品だと思うと、不思議な気がしました。

 

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