読みました「夏の騎士」

本、中表紙 読んだもの

本、中表紙

百田尚樹著「夏の騎士」

これから夏になろうかという、5月に読んで正解でした。読みながら情景が自然と頭に浮かぶ作品で、映画を見ているように面白く、途中で止められない。久しぶりに小説を一気読みしました。読み終わった後も、スッキリ納得。読み終わったけれども、息子たちにも読んでほしいので本棚に残すことに決定。

ある日、仲良し三人組が「騎士団」を結成します。小学校の教室でも、初めて受ける模試でも、殺人事件の犯人探しも、堂々と立ち向かっていく小学生男子がかっこいい。勉強もスポーツもできないけど、騎士道精神を持った彼らは本当にかっこよかった。

クラスのマドンナ的美少女を「騎士団が忠誠を誓うレディ」として決めた最初のあたりでは、彼らは自分達のことを、スクールカーストの中の下だと見なしている。美少女のことはかなり上位ランクだとしており、自分達とは差があるように思っていた。それが自然に変化していくんですよ。

夏休みが終わって、文化祭が過ぎる頃には、「レディ」は憧れの存在ではなくなり、嫌われ者だったはずの女子が完全に仲間になっていきます。

誰にでも悪口を言う嫌われ女子にはルールがあって、彼女の母親の悪口を言った人にだけ、徹底的な攻撃をしていたんです。そして、三人組は一度も彼女の傷には一度も触れません。だから彼女にとって、クラスでこの三人は明らかに別の人種だったわけです。

また、彼女は三人組の傷には触れません。子供だから、自分にはどうにもできない触れられたくないことがあるものです。くやしいけど。騎士団の三人は互いにその傷をかばい合いますが、その人間らしい優しさ、子供なりの仁義を彼女も持っていることに気づいて仲間になります。

逆境を跳ね返す夏の物語です。

読んだら、きっと子供の頃が懐かしくなりますよ。