読みたがらなかった息子に、「魔法使いはだれだ」をすすめる理由

魔法使いはだれだ 表紙 読んだもの

ダイアナ・ウィン・ジョーンズのファンである私は、ことあるごとに息子にも読んでもらいたいと、はたらきかけてきました。バーティミアスを読んで夢中になった息子。バーティミアス3冊を読み終えたタイミングで「次はぜひダイアナ・ウィン・ジョーンズ作品を!」といきごんでいた私に息子は言いました。「もう1回、バーティミアス読む。」どれだけバーティミアスが好きなのか!

小学校の「家読(うちどく)キャンペーン」に乗った
魔法使いはだれだ 表紙

「魔法使いはだれだ」
ダイアナ・ウィン・ジョーンズ著
野口恵美 訳/佐竹美保 絵

普段から就寝前に読みきかせの習慣がある我が家では、小学校ですすめている読書推進活動はとても嬉しくて、つい普段以上に「本を読もう!」という雰囲気になりました。自分で読むには、習っていない漢字も多いので、最初は私が30分ほど読んできかせました。すると、息子は徐々に話にひきこまれていきました。

子供に強くすすめる理由は、絶対面白いから

キャラがたっているハリー・ポッターと違って、ダイアナ・ウィン・ジョーンズ作品は物語そのものが面白いので、とにかく読み進めないとわかりません。まずは、こどもにとって、とっつきにくい部分をなんとかしようと思いました。登場人物と状況が把握できれば、あとは心が躍るような事件が起こっていくので、読みすすめればいいだけです。読み始めてみると、子供は自分から「ニラパムって誰だっけ?」「こんな先生いたっけ?」と登場人物を自分なりに整理しながら読んでいました。これならいける。低学年の子供には知らない漢字が出てきますが、一緒に読んであげれば絶対楽しめると思っていました。

子供とファンタジーの感動を共有できるのは、小さいうちだけ

男の子なので、ファンタジーを読むのは小さいうちだけでないでしょうか。子供の読む本を無理強いするのも、どうかと思うのですが、時間も限られているので、ここだけは言うことをきいてほしいのです。「この教室の、誰が魔法使いなんだろうね?」「チャールズじゃない?」「ちがうよ、だってさー」と会話がはずむのも、本当に嬉しいです。

学校が舞台なので、小学校の子は楽しめる

まだ就学前の弟は、興味がないようです。残念です。しかし、小学校に上がって教室や先生をイメージすることができるなら、自分のことのように想像できると思います。友達がいて、授業があって、苦手な科目があって、嫌なこともあるけど、やっぱり学校での出来事は目が離せない。

原作者が評価していた、毛糸の靴下のイラスト

この本の裏表紙に、犬になった白い毛糸の靴下のイラストがあります。物語のなかで魔法が出現したシーンでした。この靴下の犬が歩いているイラストを見て、原作者がたいへん面白がったというエピソードは有名です。世界中で出版されるダイアナ・ウィン・ジョーンズ作品のなかで、日本の佐竹美保さんが最も原作者に

面白いことがわかっているので、すすめるのは当然です。読まないと面白いことはわかりませんので、まだ読んでいない子供は、大人のすすめを素直にきいてもらいたいです。「勉強になるから」「ためになるから」という理由で読ませたい訳ではありません。もし好みでなくても、たいして損もしません。面白くないなら面白くない理由を親子で話す、それも楽しい時間になるのではないでしょうか。